その一歩を、ずっと待っていた夜

今日は、何かが起きなくてもいいと思っていた。
期待するのをやめた、というより、自分を守るための気持ちだった。

無理に前に進もうとしない夜。
そう決めると、少しだけ肩の力が抜けた。


「今日はここまででもいい」
そう思えた日は、案外久しぶりだった。

先のことを考えすぎると、気持ちはすぐに追いつかなくなる。
だから今日は、今のままでいることを選んだ。

触れ合っていないのに、距離だけが縮まっていく時間があった。
言葉は少なく、沈黙が多いのに、落ち着いていられる。

体温を感じるほど近くにいても、急かされない。
その“間”が、不思議と心地よかった。

求めていたのは、強さや勢いじゃなかった。
進むことより、待つことを選べる安心感だった。

「今じゃなくてもいい」
そう思えることが、こんなにも心を軽くするなんて知らなかった。

進むかもしれない、でも進まないかもしれない。
その曖昧さの中に、静かな高まりがあった。

期待と戸惑いが同時にある夜。
そのどちらも、否定しなくていいと思えた。

すぐに答えが欲しかったわけじゃない。
ただ、この気分に合うものを、そばに置いておきたかった。

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今の気分が少し似ているなら、
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(※18歳以上の方のみ)

高まった気持ちよりも、先に残ったのは落ち着きだった。
大丈夫だと思える感覚が、ゆっくり戻ってくる。

何かを証明しなくてもいい夜。
それだけで、十分だった。

何も起きなかった夜を、失敗だと思わなくていい。
待つ時間も、ちゃんと意味がある。

その一歩を、ずっと待っていた夜。
進まなかったことも含めて、悪くないと思えた。

この夜のあとに残ったことは、別の場所に書いている。

進まなかった夜の、その後